定義(点)
に対し, となる点を点と定義する. これはの零点であり,この位数(Laurent展開の最小次数)を点の位数と定義する.
また, の点の個数をと定義する.
更に, のときは極の個数を表すことにする.
Rouchéの定理
単一閉曲線で囲まれた領域をとし, はで正則で, 上ではを満たすものとする.
このとき, 内でのとの零点の個数は等しい.
証明
上で
であり, とは上に零点を持たないから,
と置くと,
つまり, であり, は原点を回らない.
これにより,偏角の原理から,
であり,
である.
したがって,偏角の原理により,
となるから題意は示された.
代数学の基本定理
複素係数次方程式は重複度を含めて個の複素数解を持つ.
証明
を用いて次方程式を
とする.
(最高次の係数はではないので必ずこの形に帰着できる.)
を,
を満たすように取ると, のとき,
ここで, Rouchéの定理より, におけるの零点の個数はの零点の数に等しい.
参考:相川弘明『複素関数入門』
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