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超幾何関数 PDF

ご不明点・お気付きの点がございましたらコメント欄またはTwitter ( @FugaciousShade ) までよろしくお願いします。 最終更新日:2021年8月7日 (右上のボタンを押すことでポップアップ表示ができます。) 更新履歴 2021年5月 9日 公開開始(内容:まえがき,付録(Poisson和公式, Gamma関数)) 2021年5月10日 付録:Hermite関数系の完全性を追加 2021年5月11日 軽微な修正 2021年5月19日 付録:Pochhammer記号(公式集),常微分方程式論(定数係数2階常微分方程式,Euler方程式)を追加 2021年5月22日 初等関数のGaussの超幾何級数表示の節、Pochhammer記号の公式の証明を追加 2021年5月23日 誤植の修正 2021年5月26日 Gaussの超幾何微分方程式,一般化超幾何微分方程式を追加 2021年5月30日 収束半径と特異点,Gaussの超幾何定理を追加 2021年6月15日 一部の記述を修正・追加 2021年7月22日 多重対数関数,Riemann Zeta関数を追加 2021年7月27日 誤植の修正,演習問題の追加 2021年8月 1日 Euler作用素の冪乗についての記述を追加,軽微な修正 2021年8月 2日 軽微な修正 2021年8月 7日 Gauss積分,定数係数斉次常微分方程式,線型空間,第二種Stirling数についての記述を追加 Tweet

Gauss積分の一般化

Gauss積分の一般化 定理  非負整数$m$, $c_{2m} < 0 $に対して, 次の等式が成立する \begin{align} &\int_{-\infty}^\infty \exp\left(\sum_{k=0}^{2m}c_kx^k\right)dx =\dfrac{e^{c_0}\left(-c_{2m}\right)^{-1/(2m)}}{m} \sum_{ \substack{ (a_1,\ldots,a_{2m-1})\in\mathbb{N}^{2m-1}_0 \\ a_1+a_3+\cdots+a_{2m-1}\equiv 0\\ (\mathrm{mod}.2) } } \Gamma\left(\dfrac{1}{2m}+\dfrac{1}{2m}\sum_{k=1}^{2m-1}ka_k\right) \prod_{\ell=1}^{2m-1}\dfrac{c^{a_\ell}_\ell\left(-c_{2m}\right)^{-\ell a_\ell/(2m)}}{a_\ell !} \end{align} $$ \newcommand{\pdiff}[2]{\dfrac{\partial #1}{\partial #2}} \newcommand{\diff}[2]{\dfrac{d #1}{d #2}} \newcommand{\bm}[1]{\boldsymbol{#1}} \newcommand{\ele}{\bm{e}} \newcommand{\pmat}[1]{\left(\begin{matrix} #1 \end{matrix}\right)} \newcommand{\mat}[1]{\begin{matrix} #1 \end{matrix}} \newcommand{\sgn}[1]{\mathrm{sgn}\pare{#1}} \newcommand{\vctr}[1]{\left(\begin{matrix} #1 \end{matrix}\right)} \ne

Keplerの第三法則

留数定理を用いて以下の定積分の値を求める. ($\varepsilon$は定数) \begin{align} \int_0^{2\pi}\dfrac{d\theta}{(1+\varepsilon\cos\theta)^2} \end{align} 中心力のみが働く二次元平面上の二体問題についての運動方程式を考え, $r$と$\theta$の関係式を求めると, \begin{align} \dfrac{d\theta}{dt}=\dfrac{h}{r^2},\ \ \ r=\dfrac{h^2/k}{1+\varepsilon \cos(\theta+\theta_0)} \end{align} である. (但し, $h,k$は定数.) この軌道の周期$T$を求める. ただし, 楕円軌道を仮定するため, $0\leq\varepsilon < 1 $とする. \begin{align} T=\int_0^{2\pi}\dfrac{dt}{d\theta}d\theta=\dfrac{h^3}{k^2}\int_0^{2\pi}\dfrac{d\theta}{(1+\varepsilon\cos\theta)^2} \end{align} この積分値を, 留数定理を用いて求める. $z=e^{i\theta}$とすると, $dz=ie^{i\theta}d\theta=izd\theta$より, $d\theta=\dfrac{dz}{iz}$である. 積分経路は$C\colon=\{\ z\in\mathbb{C}\ \mid\ |z|=1\ \}$となる. \begin{align} T&=\dfrac{h^3}{k^2}\oint_C\dfrac{1}{(1+\varepsilon(z+z^{-1})/2)^2}\dfrac{dz}{iz} \\ &=\dfrac{4h^3}{ik^2\varepsilon^2}\oint_C\dfrac{z}{(z^2+2\varepsilon^{-1}z+1)^2}dz \end{align} となる. \begin{align} f(z):=\dfrac{z}{(z^2+2\varepsilon^{-1}z+1)^2} \end{align}

Riemannゼータ関数入門1

Riemannゼータ関数についての基礎的な事項についてまとめた. 内容 Riemannゼータ関数 絶対収束域の導出 素数の無限性の証明 無限積の収束の定義 Riemannゼータ関数のEuler積表示の証明 Riemannゼータ関数が$\mathrm{Re}(s)>1$に零点を持たないことの証明 Basel問題の証明 ベータ関数 絶対収束性の証明 被積分関数を三角関数に変換した表示の証明 ガンマ関数 絶対収束性の証明 ベータ関数とガンマ関数の相互公式の証明 Gauss積分の証明 (下のボックスの右上に表示されているポップアウトボタンを押すと全画面でPDFを表示させることができます.) (最終更新 : 2020/09/10) 誤植や内容の不備, 質問などありましたらコメント欄またはTwitter( @FugaciousShade )までご連絡いただけると幸いです. 参考: 素数とゼータ関数 (共立講座 数学の輝き) 小山 信也 (著), 新井 仁之 (編集), 斎藤 毅 (編集), 吉田 朋広 (編集), 小林 俊行 (編集) Tweet

HTMLでLaTeX (MathJax)

MathJaxを用いて, HTML上でLaTeXコマンドを使えるようにする 以下の内容を <body> タグ内に追記する. <script id="MathJax-script" async src="https://cdn.jsdelivr.net/npm/mathjax@3/es5/tex-chtml.js"> </script> <script> MathJax = { tex: { inlineMath: [['$', '$'], ['\\(', '\\)']] }, svg: { fontCache: 'global' } }; </script> インライン数式は, \( \) または $ $ の間に書けば, $\large B(z,w)=\dfrac{\Gamma(z)\Gamma(w)}{\Gamma(z+w)}$のように反映される. alignなどは, \begin{align} \Large \int_0^{\frac{\pi}{2}} \dfrac{\sin{x}\cdot\sinh(\sin{x})}{\cos(\cos{x})+\cosh(\sin{x})}\ dx=\dfrac{\pi}{8} \end{align} のようにすれば, \begin{align} \Large \int_0^{\frac{\pi}{2}} \dfrac{\sin{x}\cdot\sinh(\sin{x})}{\cos(\cos{x})+\cosh(\sin{x})}\ dx=\dfrac{\pi}{8} \end{align} のように表示される. \newcommandなどについても, $$ \newcommand{\pdiff}[2]{\dfrac{\partial #1}{\partial #2}} \newcommand{\diff}[2]{\dfrac{d #1}{d #2}} \newcommand{\bm}[1]{\boldsymbol{#1}}

楕円曲線上の有理点の構成

問. $C:\ y^2=x^3-2$とし, $C$上の点$\mathrm{P}_n$を次のように定める. $(a)\ \mathrm{P}_1=(3,5)$ $(b)\ \mathrm{P}_n$における$C$の接線をとり, $\mathrm{P}_n$ではない$C$との交点を$\mathrm{P}_{n+1}$とする. このとき以下の問いに答えよ. $(1)\ \mathrm{P}_n$の$x$座標を$x_n$と置くと, $ x_{n+1}=\dfrac{{x_n}^4+16x_n}{4({x_n}^3-2)} $であることを示せ. $(2)\ m,n$を$0 < n < m$ を満たす互いに素な自然数とする. $A=m(m^3+16n^3), B=4n(m^3-2n^3)$と置いたとき, $A$と$B$の最大公約数は$24$の約数であることを示せ. $(3)\ x_n$を正の既約分数としたときの分子を$H(x_n)$としたとき, $H(x_{n+1})>\dfrac{1}{24}H(x_n)^4$を満たすことを示し, 2以上の任意の自然数$n$に対し, $x_1,...,x_n$はすべて異なることから $C$上に有理点は無限にあることを証明せよ. (解答) (1) $y^2=x^3-2$を各辺微分すると, $2yy'=3x^2$であり, $y_n\ne0$における$(x_n, y_n)$における接線の方程式は \[y=\dfrac{3{x_n}^2}{2y_n}(x-x_n)+y_n\] である. $C$との交点の$x$座標が満たす方程式は \begin{align*} \left\{\dfrac{3{x_n}^2}{2y_n}(x-x_n)+y_n\right\}^2=x^3-2 \end{align*} となる. この方程式は$x_n$を二重解に持つので, 解と係数の関係から$x$の二次の係数に着目して, \begin{align*} & x_n+x_n+x_{n+1}=\left(\dfrac{3{x_n}^2}{2y_n}\right)^2 \end{align*} \begin{align*} \therefo

中間値の定理 (有界単調数列の収束性を認めた証明)

ここでは, \(0\in\mathbb{N}\)であるものとする. 中間値の定理  閉区間\([a,b]\)上で定義された実数値連続関数\(f\)の最大値を\(M\), 最小値を\(m\)とする. このとき, 任意の実数\(k\in(m,M)\)に対し, \(f(c)=k\)かつ\(c\in(a,b)\)を満たす実数\(c\)が存在する. 証明  \(f\)の\([a,b]\)上で, 最小値を与えるもののひとつを\(p\in[a,b]\), 最大値を与えるもののひとつを\(q\in[a,b]\)とする. すなわち, \begin{align} f(p)=m,\ f(q)=M \end{align} を満たすものとする. ここで, \(p< q\)を仮定するが, \(p > q\)の場合もほぼ同様に証明することができる. ただし, \(p=q\)の場合は, \((m,M)=\emptyset\)であるから, これも題意を満たすものとする. (\(x\in\emptyset\)は, どのような\(x\)に対しても矛盾であるから, いかなる命題も真にできる.)  ここで区間について\((m,M)=\left(f(p),f(q)\right)\)であり, \(k\in(m,M)\ \Leftrightarrow\ k\in\left(f(p),f(q)\right)\)であり, \(f(p)< k < f(q)\)である. \(\left\{p_n\right\}_{n\in\mathbb{N}},\ \left\{q_n\right\}_{n\in\mathbb{N}}\subset\mathbb{R}\)を, \(f\)を用いて以下のように定める. \(n=0\)のとき, \begin{align} \begin{cases} p_0 := p \\ q_0 := q \end{cases} \end{align} \(n\geq1\)のとき, \begin{align} \begin{matrix} f\left(\dfrac{p_n+q_n}{2}\right)\leq k\ & \Longrightarrow \ \begin{aligned} \be

Cauchyの積分公式を用いたPoisson核の導出

\(f(z)\)が\(|z|\leq R\)で正則なとき, \(z=re^{i\theta}\ (0\leq r < R)\)とすると, \begin{align} f(re^{i\theta})=\dfrac{1}{2\pi}\int_0^{2\pi}\dfrac{R^2-r^2}{R^2-2Rr\cos(\theta-\varphi)+r^2}f(Re^{i\varphi})d\varphi \end{align} が成立する. (証明) \(f\)の正則性とCauchyの積分公式から, \(|z| < R \)に対して, \begin{align} f(z)=\dfrac{1}{2\pi i}\oint_{|\xi|=R}\dfrac{f(\xi)}{\xi-z}d\xi \end{align} が成立する. 更に, \(|\xi|\leq R\)で\(\dfrac{f(\xi)}{\xi-R^2/\bar{z}}\)は正則であるから, Cauchyの積分定理により, \(|\xi|=R\)上での積分は0. したがって, \begin{align} f(z)&=\dfrac{1}{2\pi i}\oint_{|\xi|=R} \left(\dfrac{1}{\xi-z}-\dfrac{1}{\xi-R^2/\bar{z}}\right)f(\xi)d\xi \\ &=\dfrac{1}{2\pi i}\oint_{|\xi|=R}\dfrac{R^2-|z|^2}{\xi|\xi-z|^2}f(\xi)d\xi \end{align} が成立する. \(\xi=Re^{i\varphi}\ (0\leq\varphi\leq2\pi)\)と変数変換すれば(1)式が得られる. (証明終) \(f\)を\(f(re^{i\theta})=u(r,\theta)+iv(r,\theta),\ (u,v\colon\mathbb{R}_{\geq 0}\times [0,2\pi)\rightarrow\mathbb{R})\)と表すと, \(f\)の正則性から\(u,v\)はLaplace方程式\(\nabla^2 u(r,

ジョルダン標準形(2) : ジョルダン細胞の累乗

前回 の続き Jordan細胞の累乗 \(J_n(\lambda)\)の\(m\)乗は、 \begin{align} {J_n(\lambda)}^m=\left[\left(\begin{matrix}m\\ j-i\end{matrix}\right)\lambda^{m+i-j}\right] \end{align} である. (証明) \begin{align} J_n(\lambda)=\lambda I_n+J_n(0) \end{align} の各辺を\(m\)乗し、二項定理で展開すると、 \begin{align} &{J_n(\lambda)}^m\\ &=(\lambda I_n+J_n(0))^m\\ &=\sum_{k=0}^m \left(\begin{matrix}m\\k\end{matrix}\right)(\lambda I_n)^{m-k}\cdot J_n(0)^k\\ &=\sum_{k=0}^m \left(\begin{matrix}m\\k\end{matrix}\right)\lambda^{m-k}[\delta_{i+k,j}]\\ &=\left[\left(\begin{matrix}m\\j-i\end{matrix}\right)\lambda^{m+i-j}\right] \end{align} (補足) 一般化二項係数 \begin{align} \left(\begin{matrix}a\\b\end{matrix}\right) :& =\dfrac{\Gamma(a+1)}{\Gamma(b+1)\Gamma(a-b+1)}\\ &=\dfrac{a!}{b!(a-b)!} \end{align} であるから、上で\(j-i\)が負の整数のときは分母が発散し、形式的に0になることにしておけば\(J^m\)がきちんと上三角行列になっていることがわかる. Tweet

Fermatの小定理(群論)

Fermatの小定理(群論) 有限群\(G\)の任意の要素\(g\)について、 \begin{align} g^{|G|}=1 \end{align} が成立する. (但し、\(1\)は\(G\)の単位元) (証明) 補題1 \(g\in G\)の位数は有限である. 更にそれを\(\mathrm{ord}(g)\)と書くことにする. \(g\)で生成される巡回群\(\left\langle g\right\rangle\)は\(G\)の部分群であって、 \begin{align} \mathrm{ord}(g)=|\left\langle g\right\rangle| \end{align} が成立する. \(\because\) \begin{align} \left\langle g\right\rangle:=\{g^n\ |\ n\in\mathbb{N}\cup\{0\}\ \} \end{align} であるが、\(G\)は群なので\(\forall n,g^n\in G\)より、\(\left\langle g\right\rangle\subset G\)だから\(|\left\langle g\right\rangle|\leqq |G|<\infty\)である. 鳩の巣原理により、\(\exists i,\exists j\in\mathbb{N}\cup\{0\},\ i{<}j \land g^i=g^j\) ここで\(g\in G\)より、\(g^i\in G\)だから逆元があるので上の式に掛けると、 \begin{align} g^{j-i}=1 \end{align} となり, \(j-i\in\mathbb{N}\cup\{0\}\)より\(g\)の位数は有限である. 次に、\(0 {<} i{<} j\leqq\mathrm{ord}(g)\)なる\(i,j\)で\(g^i=g^j\)になったとすると、上と同じく\(g^{j-i}=1\)と書けて、\(0<{}j-i<\mathrm{ord}(g)\)となるが、これは\(\mathrm{ord}(g)\)の最小性に矛盾する. \(\therefore\ |\left\langle g\right\rang