Cauchyの積分公式を用いたPoisson核の導出

f(z)|z|Rで正則なとき, z=reiθ (0r<R)とすると, f(reiθ)=12π02πR2r2R22Rrcos(θφ)+r2f(Reiφ)dφ が成立する.

(証明)
fの正則性とCauchyの積分公式から, |z|<Rに対して, f(z)=12πi|ξ|=Rf(ξ)ξzdξ が成立する. 更に, |ξ|Rf(ξ)ξR2/z¯は正則であるから, Cauchyの積分定理により, |ξ|=R上での積分は0. したがって, f(z)=12πi|ξ|=R(1ξz1ξR2/z¯)f(ξ)dξ=12πi|ξ|=RR2|z|2ξ|ξz|2f(ξ)dξ が成立する. ξ=Reiφ (0φ2π)と変数変換すれば(1)式が得られる. (証明終)

ff(reiθ)=u(r,θ)+iv(r,θ), (u,v:R0×[0,2π)R)と表すと, fの正則性からu,vはLaplace方程式2u(r,θ)=2v(r,θ)=0を満たす調和関数であるから, (1)式の実部を見ると, 一般の調和関数u(r,θ)に対して, 0r<Rであれば, u(r,θ)=12π02πR2r2R22Rrcos(θφ)+r2u(R,φ)dφ が成立することが分かる. ここで, R2r2R22Rrcos(θφ)+r2をPoisson核という.

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