Gauss積分の一般化

Gauss積分の一般化

定理

 非負整数m, c2m<0に対して, 次の等式が成立する

    exp(k=02mckxk)dx=ec0(c2m)1/(2m)m(a1,,a2m1)N02m1a1+a3++a2m10(mod.2)Γ(12m+12mk=12m1kak)=12m1ca(c2m)a/(2m)a!

まず, 正の実数a, 非負整数n, 正の整数mに対して成立する次の等式を示す: xneax2mdx=1+(1)n2ma(n+1)/2mΓ(n+12m)  nが奇数の場合, 被積分関数は奇関数なので0となる. nが偶数の場合はx:0の積分の2倍となるので, xneax2mdx=(1+(1)n)0xneax2mdx としてよい. t:=ax2mと置換すると, x=a1/2mt1/2mで, dx=a1/2mt1+1/2mdt/2mとなり, a>0を仮定しているので積分区間はt:0で, 0xneax2mdx=0an/2mtn/2ma1/2m2mt1+1/2metdt=12ma(n+1)/2m0t1+(n+1)/2metdt=12ma(n+1)/2mΓ(n+12m) これを用いて定理の主張の式を証明する. 指数法則により, exp(k=02mckxk)dx=ec0ec2mx2mexp(k=12m1ckxk)dx となり, 指数関数のMaclaurin展開及び, 多項定理から,

    exp(k=12m1ckxk)=n=01n!(k=12m1ckxk)n=n=01n!a1++a2m1=nn!a1!a2m1!(c1x)a1(c2m1x2m1)a2m1=(a1,,a2m1)N02m1c1a1c2m1a2m1a1!a2m1!xa1+2a2++(2m1)a2m1=(a1,,a2m1)N02m1xa1+2a2++(2m1)a2m1k=12m1ckakak!
 これを代入して, 積分と無限和の順序交換を行うと,
    exp(k=02mckxk)dx=ec0(a1,,a2m1)N02m1k=12m1ckakak!ec2mx2mxa1+2a2++(2m1)a2m1dx=ec0(a1,,a2m1)N02m1(k=12m1ckakak!)1+(1)a1+2a2++(2m1)a2m12m×(c2m)(1+a1+2a2++(2m1)a2m1)/2m×Γ(1+a1+2a2++(2m1)a2m12m)
 ここで, 途中に出てくる1+(1)a1+2a2++(2m1)a2m1の部分を見ると, a1+2a2++(2m1)a2m1が奇数だと0になるため, これが偶数になる部分だけ取ればよく, k=12m1kak0  (mod.2) k=1m(2k1)a2k1+k=1m12ka2k0  (mod.2) k=1ma2k10  (mod.2)  この条件の下では, 1+(1)a1+2a2++(2m1)a2m1=2であるので, それを適用し, 総和・総乗記号を使ってまとめれば結局,
    exp(k=02mckxk)dx=ec0(c2m)1/(2m)m×(a1,,a2m1)N02m1a1+a3++a2m10(mod.2)Γ(12m+12mk=12m1kak)=12m1ca(c2m)a/(2m)a!
となる.

 収束性や無限和の交換の議論を省略したので, 形式的な冪級数の議論だけで済ませることができた.

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