中間値の定理 (有界単調数列の収束性を認めた証明)
ここでは, であるものとする.
上で定義された実数値連続関数 の最大値を , 最小値を とする. このとき, 任意の実数 に対し, かつ を満たす実数 が存在する.
の 上で, 最小値を与えるもののひとつを , 最大値を与えるもののひとつを とする. すなわち,
を満たすものとする. ここで, を仮定するが, の場合もほぼ同様に証明することができる. ただし, の場合は, であるから, これも題意を満たすものとする. ( は, どのような に対しても矛盾であるから, いかなる命題も真にできる.)
ここで区間について であり, であり, である.
を, を用いて以下のように定める.
のとき,
のとき,
で定める.
このように定めると, 以下の性質を満たす.
以下, これらを示す.
まず,
について.
のときは,
より成立.
のとき, と によらず,
が成立するから,
以上のことから,
が成立することが分かる.
次に,
を示す.
のとき,
であり,
のとき,
また,
ゆえに,
が成立する.
最後に, を についての数学的帰納法で示す.
のとき, であるから, が成立する.
ある での成立を仮定すると,
数列の定め方から, のとき,
であり,
のとき,
である. よって, 数学的帰納法により,
が成立する.
以上のことと, 有界単調数列の収束性を用いると, 数列 は収束し, その極限値をそれぞれ とすると,
であるから, , すなわち, 数列 は共通の極限を持つことが分かる.
そして, の連続性によって,
であり, であることから, , すなわち,
となることが分かる.
ここで, だから, なので, 少なくとも である.
そして, の場合について. まず, だとすると, より, に対応する. このとき, は における の最小値を与える元であるから, となるが, これは , すなわち
に反する. したがって, である. 同様にして, であることも分かり, である. これにより, とすれば, を満たす. のときは, 上の証明内の を部分的に入れ替えれば, 全く同じ証明が使える.
(証明終)
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中間値の定理
閉区間証明
ここで区間について
まず,
次に,
最後に,
ある
数列の定め方から,
以上のことと, 有界単調数列の収束性を用いると, 数列
そして,
ここで,
(証明終)
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